生物の美しいカタチやウゴキの力学的合理性をモノづくりに活かす研究をしています
植物発生力学:
植物は、遺伝子の働きだけでなく、細胞に生じる力や材料の性質によって複雑な形をつくり上げます。本研究では、植物の成長過程を弾塑性力学や連続体力学に基づいて数理モデル化し、観察された形態変化から細胞壁応力や内部ひずみなど実験では直接測定できない力学情報を推定します。実験と理論を融合することで、植物が「どのように形をつくるのか」という形態形成の力学原理を明らかにし、新しい生命現象の理解を目指しています。
植物構造ミメティクス:
植物は限られた材料で、軽く、丈夫で、しなやかな構造を実現しています。本研究では、樹木や茎、根などの構造を力学的な観点から解析し、その合理性や設計原理を明らかにします。さらに、植物が長い進化の中で獲得した優れた構造設計を工学へ応用し、ソフトロボットや4Dプリンティング、軽量構造材料など、新しいモノづくりへ展開することを目指しています。
植物機能アクチュエータ:
植物は、らせん構造や巻き付き運動、ねじれ変形などを利用して大きな力を発揮しています。本研究では、これらの形態と力学機能の関係を定量的に解明し、どのような形状や材料配置が最適かを調べます。得られた知見をもとに、植物の機能を模倣した柔軟なアクチュエータやソフトロボットを設計・開発し、新しい駆動原理の創出を目指しています。
植物運動ロボティクス:
ハエトリソウやオジギソウなどの植物は、柔らかい組織でありながら驚くほど高速に運動します。本研究では、高速撮影や三次元画像解析によって植物の曲面変形や運動ダイナミクスを定量化し、その力学メカニズムを明らかにします。さらに、双安定構造やシリコンゲルなどの人工材料を用いて植物運動を再現し、高速・省エネルギーなソフトアクチュエータや新しい機械システムの実現につなげます。